- 2021/03/07
- 歯の寿命をのばす予防歯科
「歯周病」と「アルツハイマー認知症」
「歯の寿命をのばす予防歯科」を実践する姫路市飾磨区のおかもと総合歯科です。
私も50歳を過ぎ、「自分のこれからの人生」や「高齢化」について考えることが多くなりました。
皆さんもご存知の通り、我が国の「高齢化」が益々進み、4人に1人が65歳以上の高齢者の時代は過ぎようとしています。
そのうち、3人に1人が高齢者の時代になりつつあります。
年をとっても、若々しく健康でいたい。常にそう思います。
歯科医師の立場から、「歯の寿命をのばす」ことへのアドバイスは出来ますが、
歯の健康以外にも、高齢者を悩ます事態はたくさんあります。
そんな中でも今回は、「認知症」についてお伝え出来ることがありますので
ご紹介しますね。
「認知症」は発症者の人格を変え、人生を変えてしまうだけではなく
介護するご家族の人生も変えてしまします。実際私の父も「認知症」を患い
10年以上も、介護生活でした。これは、身近で体験したことのある方なら
その大変さは理解できることでしょう。想像以上のものですよ。
誰もが「認知症」になる可能性があるのなら、少しでもその原因を回避したいと思うはず。
他の病気でもそうですよね。
今回は「認知症」のリスクに関する「歯周病菌」のお話です。
「認知症」の老人の脳内では「アミロイドベータ」という物質が生産されるらしいです。
九州大学の研究によれば、「歯周病原因菌」がアルツハイマー認知症の老人の脳内から検出されたことや
マウス実験において、「歯周病原因菌」は「アミロイドベータ」生産を助けることが判明したそうです。
つまり、「歯周病原因菌」は「アルツハイマー認知症」のリスクになるという理解です。
本気で「認知症」になりたくない私からすると、朗報です。
「歯周病原因菌」には、ものすごくたくさんの種類があり、一般的には歯周病を「細菌レベル」
で治療していない事が多いのではないでしょうか。
「歯磨き指導」と「歯石取り」。これが歯周病治療の現実でしょう。
じつは、九州大学の研究では「歯周病原因菌」のなかでも「P.g 菌」とよばれる極悪の歯周病菌が
悪さをしていることらしい。
そこで、当院ではこの「P.g菌」がお口の中でどのくらいの割合で存在しているのかをしらべます。
これには、皆さん聞き覚えのある「PCR検査」を用いた検査方法ができました。
お口の中のプラークを器具でぬぐい、専用の検査機器に入れて40分。
これで、P.g菌が多ければ、「歯周病重症化リスク」がたかく、「アルツハイマー」のリスクもあるということです。
こんなありがたい検査ができることに感謝です。
しっかり除菌を続けて、「歯周病」も「アルツハイマー」も予防できると、
歯科医師として、喜ばしい限りです。
九州大学の研究はこちら